イチゴキャンディー

「啓太〜ドア開けて〜」
「おかえりぃー!? どうしたのそれ!?」
外出から帰ってきた和希の両手には菓子が詰まった袋2つ。
「んー、ちょっとスーパーに行ってきたら、イチゴ味のお菓子コーナーがあってさ。啓太イチゴ好きだろ。だからお土産!」
はい!って渡されて思わず受け取ってしまった俺だけどちょっとこの量、凄すぎ・・・・。
そんな俺の内心に気づかず
「俺、イチゴ味のお菓子ってポッキーくらいかと思っていたけど色々あるんだな。もう啓太に見せたくって全種類買ってきてみたんだ。びっくりしただろ」
って満面の笑みで話す和希に「俺はその和希の行動力にびっくりだよ・・・」と思いつつ
「ありがと、和希。でもこんなに食べきれないから一緒に食べない?」
「うん。それじゃおじゃまします」

「へぇ・・・キットカットにカントリーマアム、コアラのマーチもあるんだぁ」
「それにきのこの山だろ。なんだか何でもあり!?って感じで選んでて楽しかったよ。それに季節限定だから今食べないと、なんて使命感?感じちゃってさぁ」
全種類買っちゃったと話す和希に
「うん!分かる!!でも持ってくるの大変だったろ?ありがと〜和希」
思わず力説しながらお菓子を1つ1つ手に取っていたら
「あっ・・・・」

「イチゴキャンディーだぁ・・・・」
つぶやく俺に
「うん、包装がイチゴ仕様になっているから可愛くって買ってみたんだけど何?啓太、どうしたの?」
「うん、子供の頃から食べているから懐かしくって。今って季節限定で色んなイチゴの菓子があってもさ、やっぱり俺、キャンディーが一番好きかも」
言いながら1つ包装紙を開けて パクリうん、甘くておいし〜。
笑顔の俺
そして
「そっかー、良かった」
と笑顔の和希

親友で和兄で理事長の和希。
きっとこれから歩む道は違ってくるのかもしれないけれどこんな風にずっと一緒にお菓子を食べて笑いあえる距離の関係でいたいなぁと思う。

『おまけ』

「そーいえば何でスーパーなんかに行ったんだ?」
和希とスーパーって結びつかないんだけど。なんでコンビニじゃなくスーパー・・・・
?と??な俺に
「ほらTVでやってるだろ、合格祈願のお菓子のCM。あれ観て王様にプレゼントしたいって思ってさ・・・・」
受験勉強頑張っている王様になにかしたくって・・・・とハニカミながら言う和希に
「王様頑張ってね。ってキス1つでもしてあげればいいんじゃないの」
なんて考えている俺の横で
「でも合格祈願のお菓子っていっぱいあるのな。びっくりしたよ」

―ん、
「・・・・もしかして・・・・」
「うん、どれがいいか選べなくって全種類買ってみた」
そしたら袋いっぱいになっちゃって、啓太の分もあわせて持ってくるの大変だったんだ−あはは〜
あはは〜・・・・・って普通悩んでも全部買わないって!!
「さすが和希・・・・」
まぁ俺としてはしばらくおやつに困らなくって嬉しいけど。
王様はどうなんだろうな。




サイト20001HITを踏んで下さった彩湖さまより頂きました。
王様×和希前提の和希+啓太話です。
先日のCOMIC CITY 東京112でお会いした時、お世話になっているお礼に差し入れしたキャンディーと20001HIT小説を読んでこの小説を書いて下さいました。
素敵なお話だったので、私1人だけ読んで終わりにしてしまうのはもったいない!!と思い、無理矢理お願いして載せてもらいました。
仲の良い和希と啓太の話は大好きなのでとても嬉しかったです。
イベントでまたたくさんお話して下さいね。
彩湖さま、素敵なお話をどうもありがとうございました。
                      2009/3/9