和希のお誕生日まで後6日

好きになるって難しい(丹羽+中嶋×和希)

和希は学生会室の前でドアをノックするのを躊躇していた。

数週間前、和希は丹羽と中嶋に告白されたのだった。
「遠藤、お前が好きだ。俺と付き合ってくれ。」
「遠藤。お前が気に入った。俺のものになれ。」
突然に丹羽と中嶋にそう言われ、和希は答える事ができなかった。
だって2人とも和希にとっては大事な生徒だから…
「えっと…俺の正体を知ってますよね?」
「当たり前だ、鈴菱理事長殿。」
「なら、俺が貴方方よりも年上で男だって分かっていますよね?」
「遠藤。何わかりきった事を言ってるんだよ。」
「それならはっきり言います。王様も中嶋さんも俺にとっては大切な生徒なんです。それ以上の感情は持ち合わせていません。」

「それで…」
「それでって…」
中嶋の問いに和希は困ってしまった。
今、遠回しかもしれないが断ったつもりだったのに通じてないらしい。
困った顔をした和希の肩を丹羽は掴むと、
「今からだって恋愛感情がもてるかもしれねえだろう?さっそく俺達と試してみないか?」
「た…試すって何をですか?」
嫌な考えが頭を過ぎる。
そんな和希に中嶋は嬉しそうに笑って言った。
「身体から入る関係も偶にはいいだろう?」
「そうそう、自慢じゃないが俺もヒデもそっちには自信があるからな。」

和希は後退る。
「や…やだな…王様に中嶋さん…俺の事、からかい過ぎですよ…」
「からかってなどいない。」
「大事にしてやっからな。」
「いや…遠慮します…」
頑張って抵抗してみたものの、和希が丹羽や中嶋に敵うわけもなく、学生会室のソファーに押し倒され丹羽と中嶋に抱かれてしまったのであった。

無理矢理だったけれども、身体から始まった関係。
けれども、和希は丹羽と中嶋とも肌を合わせる事に嫌悪感はなかった。
どちらかと言えば、身体の相性は丹羽とも中嶋とも最高に良かった。
2人のテクニックに溺れていくのが分かる。
でも…
和希は人として二股をかけているような今の状況に胸を痛めていた。
しかし、丹羽と中嶋は和希を共有する事に異存はないようだった。

「おっ、和希じゃねえか。どうした?こんな所に突っ立てて。」
「王様…」
丹羽に話し掛けられて思わず微笑んでしまった和希。
「中にヒデの奴がいるだろう?さあ、入るぞ。」
「あっ…はい。」
丹羽と共に一緒に中に入った和希。
「おい、ヒデ。そこでいいものを拾ってきたぞ。」
「いいもの?ああ、確かにいいものだな。丹羽にしては上出来じゃないか。」
「だろう?」
「王様も中嶋さんも人の事なんだと思ってるんですか?いいものだなんて失礼じゃないですか?」
頬をふくらまして言う和希に、丹羽も中嶋も笑って見ている。

この関係はもしかしたら間違っているのかもしれない。
けれども、俺はこうして王様と中嶋さんの手を取って共に歩き始めてしまったんだ。
最初は身体から無理矢理始まった関係だった。
でも、今は…
誰よりも大切な存在になっているこの2人と一緒に歩いて行きたい。
ほんの少しの罪悪感を胸の奥底にしまい込んで、和希は丹羽と中嶋に微笑み返した。






アンケートで『丹羽&中嶋。二人に愛されてる和希さんが好きです。』『学生会メンバーに愛される和希が希望です 』というコメントを頂きましたので頑張って書いてみました。
実は今回書いた中で1番難しいCPでした(笑)
まだ、完璧に好きにはなってはいないけれども、丹羽と中嶋の事を意識仕始めた和希。
2人に同時に愛されて途惑っているのかもしれませんね。
早く心から王様と中嶋さんに甘えられる日が来るといいなぁ…と思ってます。
                 2009年6月3日