どんな微笑よりも…1

注意書き


こちらは、パラレル小説になります。
パラレル小説ですので、お読み頂く前に幾つかご注意して頂きたいと思います。
まず最初にこちらの注意書きをお読みになって下記の項目が苦手な方、嫌悪される方は入室せずにお戻りになられる事をお勧めします。
※パラレルが苦手、もしくは嫌いな方
学園ヘヴンのキャラは出てきますが、年齢及び設定が
原作とはまったく違います。
※和希が酷い目にあうのが見たくない方
これでもか…と言うくらい和希が辛い目にあいます。
本当に可哀相になります。
※場所と時について
ここはどこで、いつ頃の話かはよく解りません。
※これだけはご注意下さい。 一応中和の予定です。
読んでいて“あれ?この手の話どこかで見たことある”
と言う事が多々あります。
内容は、ダーク系、不幸系と言った物でいつも書いてい
るような甘々な内容とは全く違います。
最後に気分を害されても責任は取れませんのでご了承下
さい。

以上をお読みになってやっぱり無理だと思われた方は遠慮なくご退室して下さい。
私は心が広いから気にしないと仰って頂ける方のみご入室下さい。
こんな感じのスタートですが、もし良かったらお付き合い下さい。
毎週木曜日にUPする予定です。




































雨が降る少し肌寒い6月のある日の事でした。
ここは篠宮家が牧師をしている田舎の小さな教会。
その朝、いつものように教会の入り口を開けた篠宮の父は驚いてしまっていた。
入り口を開けた場所にはおくるみに包まれた赤ん坊がいたからである。
その場に立ち止まった篠宮の父の後ろにいた篠宮が声をかけた。
「お父さん?どうしたの?」
そう言って、神父である父の後ろから入り口を覗いた篠宮は嬉しそうな声を上げた。
「わ〜!可愛いあかちゃんだ!」
篠宮の声で我に返った篠宮の父は、赤ん坊をあやしている篠宮の頭を撫でると、
「紘司。ちょっとその赤ん坊をお父さんに見せてくれるかい?」
「うん、いいよ。」
篠宮は笑顔で言った。


篠宮の父はおそらく捨て子であろうその赤ん坊に何か手がかりがないか注意深く見た。
するとその赤ん坊を包んでいたおくるみの中に小さな青いくまのぬいぐるみが入っていて、そのぬいぐるみの足の裏に『和希』と刺繍されていた。
おそらく『和希』がこの赤ん坊の名前なのだろう。
他には手がかりになるものは何もなかったが、篠宮の父は驚いていた。
それはその赤ん坊を包んでいたおくるみにしても、着ているベビー服にしてもとても素材がいい生地のものであったからだ。
とても普通の庶民が気安く買える物ではないものを身につけている。
その上、そのくまのぬいぐるみはどう見ても手作りだった。
だが、素人が作った物とは思えないほどの出来栄えだった。
もしかしたらオーダー品かもしれない。
この子が捨て子なのだろうか?
いや…可能性としては誘拐の方がありそうだと思った。
だが、どちらにせよ保護しないわけにはいかない。
どんな理由があるにせよ、この子は自分が神父をしている教会に置き去りにされたのだから。


篠宮の父は赤ん坊を抱き上げた。
側で大人しくしていた篠宮が声を上げた。
「お父さん、そのあかちゃんをどうするの?僕、まだその子と遊びたい。」
「いつまでもこんな所にいたら赤ん坊が風邪を引いてしまうだろう?とりあえず家に戻ってお母さんに言ってミルクを飲ませてあげないとお腹が減っているかもしれないだろう?」
「あっ、そうだね。お父さんって凄いね。あかちゃん良かったね。今お母さんが美味しいミルクを飲ませてくれるって。」
「紘司、この子は『和希』と言う名前なんだよ。」
「和希?そうなんだ。僕は紘司って言うんだ。よろしくね。」
篠宮が和希に話しかけると和希は篠宮の方を見て笑った。
それに気付いた篠宮は嬉しそうに、
「お父さん、和希が僕を見て笑ったよ。」
「ああ。お父さんも気付いたよ。今日から紘司は和希のお兄さんになるのだから優しくしてあげなさいね。」
「はい、おとうさん。こんにちは、和希。今日から僕が和希のおにいちゃんだからね。」
まだ意味など解らないだろうに、篠宮に話かえられた和希は手を篠宮の方に差し出した。
篠宮はその小さな手をギュッと握ると、

「今日から僕が和希のおにいちゃんだからね。」
嬉しそうに篠宮はそう和希に言った。





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