星に願いを 1

注意書き

こちらは、パラレル小説になります。
パラレル小説ですので、お読み頂く前に幾つかご注意して頂きたいと思います。
まず最初にこちらの注意書きをお読みになって下記の項目が苦手な方、嫌悪される方は入室せずにお戻りになられる事をお勧めします。

※パラレルが苦手、もしくは嫌いな方
学園ヘヴンのキャラは出てきますが、年齢及び設定が原作とはまったく違います。
※テーマは七夕という事で七夕を意識して書いています
七夕の原作とはまったく異なる話ですのでご了承下さい。
※場所と時について
一応天空を意識して書いています。
※これだけはご注意下さい。一応王和です。
読んでいて“あれ?この手の話どこかで見たことある”と言う事が多々あります。

最後に気分を害されても責任は取れませんのでご了承下さい。

以上をお読みになってやっぱり無理だと思われた方は遠慮なくご退室して下さい。
私は心が広いから気にしないと仰って頂ける方のみご入室下さい。








昔… 夜空に流れる天の川のほとりに天を支配している天帝が納めるベルリバティという国がありました。
天帝の名前は中嶋英明。
素晴らしい頭脳と判断力を兼ね備えているとても美しい天帝です。
早くに結婚をした中嶋でしたが、流行病で妻を亡くし1人息子と一緒に暮らしています。
子供の名前は和希。
色白でとても可愛らしい子ですが、父に似てとても賢い子です。
中嶋の側にはいつも彼の幼なじみの丹羽哲也がいます。
丹羽は仕事の上では中嶋の参謀をしています。
丹羽はまだ独身です。
赤ん坊だった和希を1人で育てながら天帝の仕事をしている中嶋を助けていたので婚期を逃してしまいました。
ですので、和希にとっては父親が2人いるようなものでした。
和希には幼なじみの少年がいます。
彼の名前は啓太。
可愛らしい啓太と和希は兄弟のように育ちました。
そして啓太は天帝である中嶋の恋人です。
和希は父親の中嶋と啓太の結婚を望んでいるのですが、2人共和希が結婚するまでは一緒にならないと言っています。
一方和希は仕事が面白くて、とても結婚する気にはなれません。
いいえ、本当は恋い焦がれている人がいるのですが、まったく相手にされていないのです。
和希は結婚するなら彼以外は嫌だと思っているので、ひたすら仕事に打ち込んでいる毎日を過ごしています。


朝早く城の中の庭を散歩する和希に、中嶋の秘書である石塚が声を掛けてきました。
「おはようございます、和希様。今朝も早くからお散歩をされているのですね。」
「おはようございます、石塚さん。今日はとても良い天気なので早く目が覚めたんです。石塚さんも早いんですね。」
「私はいつもこの時間には起きていますので。この庭園はとても綺麗なので朝の清々しい空気と共に散歩をするのが私の楽しみの1つなんです。」
「同じ事を考えているんですね。」
クスッと笑った和希に石塚も笑い返した。
「そう言えば、朝は伊藤さんとはお散歩をなさらないのですか?」
「啓太とですか?啓太はまだ夢の中だと思いますよ。お父様の腕の中で。」
嬉しそうに和希は言う。

「あんなに仲が良くて愛し合っているのに、結婚しようとしないのだから困ってしまいます。いい加減に見ているこちらがじれてしまいます。」
「それは…仕方がないですよ。天帝も伊藤さんも和希様がご結婚なされてから一緒になる予定なのですから。早くお二人にご一緒になって頂きたいのなら、和希様が結婚なさるのが1番です。」
「また、その話?今はまだ結婚する気がないって言っているのに…お父様も諦めが悪いな。石塚さんにまでそんな事を言うんだから。」
「それだけ、和希様の事が心配なんですよ。天帝は今の和希様のお歳にはもう結婚なさって和希様がいらしたのですから、余計にそう思ってしまうんですよ。」
「お父様はお父様。俺は俺です。俺はまだ結婚する気はありません。」
「そのような事を仰っては天帝ががっかりなされますよ。どなたか好きな方はいらっしゃらないのですか?」

一瞬だけ和希の身体が震える。
好きな人…
好きでたまらない人はいる。
けれども彼は俺の事など何とも思ってはいない。
お父様と同じ歳の人。
俺とは一回り以上歳が離れている。
でも…
お父様だって俺と同じ歳の啓太と恋人同士なのだ。
歳の差なんて大丈夫だと思ってはいるが、あの人はそうは思っていないのだろうな。
俺の事をいつまでも子供扱いをしているのだから。

思わず漏れるため息に石塚は気が付いた。
「どうなされましたか?和希様。」
和希はハッとして答えた。
「何でもない。最近俺に結婚しないのかって聞く人が多くて嫌だなと思っていたんだ。」
「それは…仕方がない事です。和希様は天帝のたった一人のお子様なのです。未来の天帝の奥方に皆興味を持たれているんですよ。」
「…」
ズキッと痛む胸。
そう…
俺は天帝の跡取りとしてそれに相応しい女性を嫁に迎えなくてはならない。
いくら、天界が男同士の結婚を認めているとはいえ、後継者を残さないのはまずいだろう。
だから、俺のこの恋は心の内に秘めておかないといけない恋。
もとから望みは欠片もないけれども、諦めなくてはいけない恋。
どうして俺は天帝の子供なんかに生まれてしまったのだろうか?
天帝の子供でなかったらもしかしたらあの人と結ばれたかもしれないのに…
清々しい朝なのに、和希の心は寂しさでいっぱいになっていた。




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