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和希のお誕生日まで後6日

『解った。一生面倒見てやるから!』 (学生会×和希)

今年も梅雨の季節になった。
雨が降っているせいで、いつものように外で仕事をサボる事ができない丹羽は中嶋に連れられて毎日学生会室で仕事をさせられていた。
「王様、そんな顔をしないで下さいよ。」
「だってよう。この雨のせいで毎日ヒデに捕まって学生会室に連れて来られているんだぜ。気分だって滅入るし、顔つきだって悪くもなるさ。」
「王様は学生会会長でしょう。学生会にいるのが当たり前だと思いますけど。」
「和希の言う通りだ。お前が学生会会長なんだからな、哲っちゃん。」
「何だよ、和希はヒデの肩を持つのか?」
拗ねた顔をした丹羽を見て和希はクスっと笑いながら、
「肩を持つとか持たないとかじゃなくて、学生会会長としての仕事があるのだから、本来なら毎日ここに来るのが当たり前じゃないんですか?」
「待て、和希。俺はな、遊んでいるわけじゃないんだぞ。構内の見回りという大切な仕事をしているんだ。」
「ものは言いようだな、哲っちゃん。だが、言い換えれば、それはデスクワークをサボる口実としか取れないがな。」
「うっ…」
中嶋には口で勝てない事は分かっている。
確かにデスクワークが苦手なのは丹羽も認めている。
書類がたまってしまうのも、内心では中嶋に申し訳ないと思っている。
だから…
雨の日はこうして苦手な書類整理を我慢してやっているのである。
だが、こう毎日では我慢の限界もきてしまう。
「しなきゃいけねえのは分かってる。だけど、こう毎日だと神経がおかしくなりそうなんだよ。」
「お前にそんな細やかな神経があるとは思えないがな。」
「煩せえよ、ヒデ。俺はな、こう見えても神経質なんだよ。」
丹羽の神経質発言を聞いて和希が笑い出した。
「和希?」
「だ…だって…王様が…神経質だなんて…」
「何だよ。」
「可笑しすぎる…」
そう言いながらお腹を抱えて笑う和希を見て、丹羽は面白くない顔をする。
そんな丹羽の様子に気が付いた中嶋は、
「和希、その辺りで笑うのをやめておけ。あいつが拗ねると何をされるか分からないぞ。」
「う…うん…」
目に涙を浮かべながら笑っていた和希はようやく笑うのをやめた。
丹羽の方を見ると明らかに機嫌が悪いのが手を取るように分かる。
こういう所が丹羽の可愛い所だと和希は思っている。
拗ねて顔を背けている丹羽の頬に和希はちゅっとキスをする。
驚いた顔をする丹羽。
「ごめんなさい、王様。」
そう言いながらもう1度、今度は唇にキスをする。
「和希。」
「機嫌、直った?」
「いや、まだだ。もう少し和希を味合わないと駄目だな。」
そう言うと和希の細い腰に手を回すと自分の方に近づけ、深い口付けをする。
「…うっ…」
いきなりの激しいキスに呼吸が上手くできなくて戸惑う和希。
暫くして唇が離れると、呼吸を乱した和希が目元を染めながら丹羽を睨んでいた。
「もう…何するんですか。」
「機嫌を直してもらった。」
嬉しそうに言う丹羽を見ると和希は文句が言えなくなってしまう。
顔を赤くして俯いた和希の顎を今度は中嶋は持ち上げた。
「中嶋さん?」
「不愉快だな。丹羽だけにキスを許すのか?」
「許すって…」
「俺の機嫌も直してもらっていいな。」
「えっ…」
続きを言う事はできなかった。
巧みなキスに意識が集中してしまう。
丹羽のような情熱的なキスではないけれども、中嶋のキスは官能的で和希の身体を熱くしてしまう。
和希の下半身の反応に気が付いた中嶋は嬉しいそうに笑うと、
「もうこんなにここを硬くして。相変わらず淫乱な身体だな。このままでは辛いだろう?今俺が楽にしてやろう。」
「おい、待てよ。ヒデ1人で楽しもうとするのか?俺も一緒にやっていいよな。」
「あ…あの…俺…」
「遠慮はするな。」
「遠慮なんかしていません!」
「大丈夫だぜ。すぐに快楽に身を任せるようになるからな。」
「中嶋さんも王様も止めて下さ…あっ…あん…」
中嶋と丹羽の愛撫に勝てるわけもなく、和希は2人の手によって快楽の世界に導かれたのでした。

ソファーでぐったりとしている和希に中嶋はコーヒーが入ったカップを和希に渡した。
「あれだけ喘いだんだ。喉が渇いたろう。」
そう言って渡されたカップを和希は恥ずかしそうに受け取った。
一口飲んだ和希はコーヒーが飲みやすい温度になっているのに気が付いた。
中嶋の些細な気配り。
そんな些細な事でも、中嶋がいかに自分を大切に想っているのかわかって和希はとても嬉しかった。
黙ってコーヒーを飲んでいる和希に丹羽が声を掛けた。
「どうした?元気がないじゃねえか。」
「王様と中嶋さんお二人の相手をしたすぐ後で元気でいられるはずがないですよ。」
「いや、そうじゃなくてよ。何か悩んでるって顔をしているぜ。」
「ほう、丹羽にしてはよく気が付いたな。」
「和希の事だからな。」
中嶋は和希の頭を撫でながら、
「和希、どうした?何か思う所があるなら遠慮せずに言え。」
「中嶋さん…」
中嶋と丹羽を見ながら和希はボソッと言った。
「俺…この頃思うんです。こうして中嶋さんと王様に愛されて幸せだけど…怖いんです。」
「怖い?何がだ?」
和希はカップをギュッと握り締めながら、
「こうやって2人に愛されているのが当たり前に感じてしまってるんです。でも、いつまでもこうしていられるわけじゃない。王様も中嶋さんもいずれ俺から離れてしまうのだと思うと、俺は1人で大丈夫だろうかって考えてしまうんです。それを思うと怖くなってしまって…」
丹羽と中嶋はお互いの顔を見合わせると、
「馬鹿だな、お前はそんな心配をしていたのか。」
「馬鹿?人が真剣に悩んでいる事を馬鹿呼ばわりするんですか?」
「ああ。馬鹿だ。」
「中嶋さん!」
和希が不貞腐れた顔で中嶋の名前を呼ぶと、今度は丹羽が声を掛けてきた。
「ヒデの言う通りだぜ。」
「もう、王様まで俺を馬鹿呼ばわりするんですか!」
「だって、仕方ねえじゃないか。本当に馬鹿なんだからさ。」
「…」
和希の目に涙が浮かぶ。
そんな和希を見て、丹羽は参ったなと言う顔をすると、
「俺の言い方が悪かった。だから、そんな顔をするな。」
「だ…だって…」
今にも零れ落ちそうな涙を丹羽は大きな手でそっと零れないように拭うと、
「悪かった、ちょっとからかい過ぎた。」
「そうだな。安心しろ、和希。俺たちはずっとお前の傍にいる。」
「そうだぜ。」
「本当?」
「ああ、お前が嫌だと言ってもずっと傍にいるから覚悟をするんだな。」
「中嶋さん。」
「ヒデの言う通りだ。不安に思う事はないんだぜ。」
丹羽と中嶋の言葉に和希は嬉しそうに微笑む。
「王様と中嶋さんいつまでもそう思ってもらえるように俺、頑張るから。」
和希の言葉を聞いた丹羽は和希の手からカップを取り上げると、和希の身体をソファーに押し倒した。
「そうか。解った。一生面倒見てやるから!安心しろよ。」
「えっ?」
「2人でずっと可愛がってやるからな。」
「ちょっと待って!何するんですか!」
「何って決まってるだろう?」
「野暮な事を聞くんじゃない。」
「だから!!これ以上されたら俺の身体が持ちませんって!」
抵抗する和希の叫び声はすぐに艶のある声に変わってしまうのでした。

王様と中嶋さんの想いを受け取った和希。
性格の違う2人ですが、2人に愛されて幸せな日々を過ごしています。
でも、愛される事に慣れていない和希は凄く不安になってしまいます。
確かに未来の事は分からないでしょう。
けれども、幸せにあり続けたいと思って努力する事でいつまでも幸せが続くのではないのでしょうか?
いつまでも幸せに過ごして下さいねvv

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