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和希のお誕生日まで後2日

『馬鹿な奴ほど可愛いっていう、アレだ』(中嶋×和希)

クールで冷酷。
目的遂行の為にならどんな手段も使う腹黒くて鬼畜。
それが中嶋という人物を表現するのに使われていた言葉だった。
そう言われている中嶋から『俺のものになれ』と和希は言われた。
『俺のものになれ』…
最初そう言われた時、何を言われたのか和希は正直理解できなかった。
驚いて目を大きく見開いて、ジッと中嶋を見つめる和希に中嶋は更にこう言った。
「返事は?」
「えっ…返事ですか?ええと…」
和希は困った顔をした。
こういう場合、何と答えればいいのだろうか?
暫く考えた後和希は言った。
「あの…繰り返すようで申し訳ないのですが、中嶋さんは今俺に『俺のものになれ』って言ったんですよね。」
「そうだ。」
顔色1つ変えずに言う中嶋に和希は頭を抱えたくなった。
「あの…中嶋さん。俺がこの学園の理事長だって知っていますよね。」
「当たり前だ。」
「なら、俺が男で年上だって分かってますか?」
「何を当たり前の事を言っている。」
「だって…どう考えてもおかしいでしょう。」
「おかしい?何がだ。」
「中嶋さんほどの方でしたら、お相手なんて選び放題でしょう。なのに、よりによって俺ですか?」
「よりによってか…」

中嶋はため息を付いた。
前から思っていたが、自分の魅力にまったく気が付いていない。
いつも一緒にいる和希と啓太は癒し系コンビと言われている。
学園MVPで元気で明るいのが魅力な伊藤啓太。
儚げな微笑が魅力的な深窓の姫君と言われている和希。
そんな風に言われている事などまったく知らないのだろう。
まあ、それが可愛いところなんだが、そんな事をわざわざ口に出していう中嶋ではない。
だが、このまま自由にしておくと危険な目に合ってしまうのが目に見えるようだ。
和希にその意志がなくても、周りがフリーな和希を放っておくとは思えない。
強引で卑怯な手に落ちてしまう前に自分のものにしてしまおうと中嶋は思っていた。
不思議そうな顔で中嶋を見つめる和希。
そんな顔も愛しいと中嶋は思ってしまう。
この愛しい存在を早く自分のものにしたい。
中嶋はニヤッと笑うと、
「そうだな。どうしても理由が知りたいというなら言ってやろう。馬鹿な奴ほど可愛いっていう、アレだ。」
「はい?」
和希は驚いた顔をした。
よりによってそれが惚れた理由?
馬鹿にしているのかと思ってしまう。
だが、中嶋をみている限りでは真面目に言っているようだ。
「中嶋さん、俺の事をからかっていますか?」
「そんな事をして何になる。」
「そうですよね。中嶋さんはそんな人じゃありませんよね。」
さて、困った。
どうしよう…
悩んでいる和希に中嶋は言う。
「俺はお買い得だぞ。迷う必要などない。」
「お買い得って…買い物じゃないんですよ。」
クスクスと笑う和希。
今日は信じられない事ばかりだ。
中嶋からこんな風に色々と言われるとは思わなかった。
今まで知っている中嶋とは違う中嶋がたくさん見れたので和希は嬉しかった。

「いつまで笑っている。さっさと返事をしろ。」
「返事って言っても、俺に拒否権はないんでしょう?」
そう言いながら、まだ笑っている和希。
実は和希は中嶋に惚れているのだ。
これから先の事など何も分からない。
もしかしたら、すぐに別れてしまうかもしれない。
それでも、中嶋が好きだからこのチャンスを手放したくない。
今の鈴菱和希が選べる数少ないものの1つなのだから…
「分かりました。でも1つだけ条件があります。」
「条件?何だ?」
「貴方も俺のものになって下さい。それを承諾してくれなければ、この話はなかった事にして下さい。」
「フッ…俺が選らんだだけの事はある。その条件を飲もうじゃないか。」
「いいんですか?」
「ああ。ただし忘れるな。お前は俺のものだからな。」
「はい。分かりました。」
こうして始まった和希と中嶋との付き合い。
和希に見せる中嶋の甘い笑顔。
幸せそうに微笑む和希の笑顔。
穏やかで優しい時間が2人を包み込んでいた。

今回のお題を見た時、このお題は絶対中和のためにあるお題だ!!と思いましたvv
中嶋さんにとって和希はとても愛しい存在です。
目に入れても痛くない程だと思っています。
滅多に聞けない中嶋さんが和希に惚れた理由…
爆笑ですよね。
そんな中和が好きですvv
                 2011年6月7日

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