今回はぬるいですが性表現がありますので、その手の話が苦手な方はお読みにならない事をお勧めします。
なお、『3』を読まなくても『4』への話は解るようにしてますのでご安心下さい。
「英明?」
丹羽の部屋を出た後、中嶋の部屋に来た和希はどこか不機嫌そうな中嶋の様子が気になっていた。
「あの…何かあったんですか?」
「別に無い。」
そう答えたが、明らかに不機嫌だ。
おそらく不機嫌の原因は和希が丹羽の部屋に行き、そこで2人きりになった事だろうと和希は思っていた。
中嶋はその外見と違い、嫉妬深い。
だから、たとえ相手が中嶋の親友の丹羽でも和希が他の男と2人きりで1つの部屋にいるのが許せないのであった。
だが、中嶋が『別に』と言う以上、和希はそれ以上問うつもりはなかった。
「俺今夜泊まってもいいですか?」
不安そうな瞳で聞いてくる和希を中嶋はそっと抱き締める。
「お前が泊まりたくないと言っても泊まらせるつもりだった。」
「英明。」
和希は嬉しそうに中嶋の背に手を回すと目を閉じる。
それを合図かのように中嶋からのキスが和希に送られた。
「…んっ…やぁ…」
和希の甘い艶のある声が響く。
「嫌?嘘をつくな。気持ちいいだろう。」
和希は首を横に振る。
亜麻色の髪がベットの上で美しく舞う。
今夜はいつもと違う愛され方をされていた。
本当はこんなのは嫌だと和希は思っていた。
だが、ただでさえ中嶋と一緒に過ごす時間が少ないのに丹羽の相談にのったという事に対しての罪悪感を和希は感じていた。
だから…
中嶋から今日はこれを使うと言われた時、逆らう事ができなかった。
でも、だからといってこんなもので攻められるとは想像もしていなかった。
そしてそんなもので感じてしまう自分自身の身体も和希は信じられずに驚愕していた。
「相変わらず淫乱な身体をしているな。」
ニヤリと笑いながら言う中嶋に和希は息を乱しながらも首を横に振る。
冷たいものが胸の突起にあたると、きゅん、ととがっていくのが分かる。
同時に和希は身体を快感で震わせる。
冷たいものは少しづつ溶けて水になり、淡く桜色に染まった肌の上を流れていく。
そう…
冷たいものは氷だった。
中嶋のベットの側にはたくさんの氷が入ったボウルが置いてあった。
どうしてこんなにたくさんの氷が?と思った和希だったが、すぐにその意味を理解する事ができた。
頭で理解するのではなく、身体で理解したのだが。
「あっ…んんっ…」
先端に当てられた氷はその熱さですぐに小さくなる。
溢れる蜜と氷が溶けた水は和希の脚を濡らしていく。
「フッ…氷でなぞっているだけなのに、そんなに身体をよがらすとはな。いやらしい身体だ。」
「ちがっ…これは…冷たくて…震えているだけだから…やっ…や…だぁ…」
和希の身体が仰け反った。
溶けて小さくなった氷が和希の蕾に押し込まれたからだ。
中に入った氷はその熱でみるみるうちに溶けていく。
「早いな。もう溶けたのか。」
そう言うと次の氷を押し込めた。
嫌なのにひくひくと喜んで氷を飲み込んでいく。
つうっと溶けた水が和希の脚を濡らしていく。
「冷っ…おね、がい…や…やめっ…」
続けて氷を5つ入れたところで和希は目に涙を浮かべながら言った。
「もう…やだぁ…」
氷を入れていた手が止まる。
中嶋は和希の耳元で囁いた。
「どうして欲しい?」
なだめる様な優しい声。
和希は羞恥に苛まれながら、
「…欲しい…」
そう小さく囁く。
「何が欲しいんだ?」
中嶋には和希が何を望んでいるかもちろん分かっていた。
だが、今日は和希の口からその言葉を聞きたかった。
未だに恥ずかしがってなかなか望む言葉を口にする事ができない和希。
そんな和希を中嶋は可愛いと思っている。
だからいつもはそれを察してある程度和希が望む言葉を口にすればそれを与えていた。
しかし、今日ははっきりと和希の口からその言葉を聞くまでは与えるつもりはなかった。
疼いてしまった和希の身体は中嶋を欲していてどうにもならなかった。
顔を赤く染めながら、声を震わせながら、和希は中嶋の身体にその手を触れさせながら言う。
「…氷は嫌だ…俺が欲しいのは…英明だから…」
そこまで言ったが中嶋は黙って和希を見つめているだけだった。
沈黙が続く中、我慢の限界を迎えた和希は中嶋が望む言葉を口にした。
「お願い…英明を…下さい……」
そう言った瞬間、和希の目からポロポロと零れ落ちる涙。
零れ落ちた涙を中嶋は唇で拭いながら、汗で濡れている髪をを優しく撫でる。
「いい子だ。」
和希の言葉に満足した中嶋は、優しく、そして激しく、和希の望むものを与えたのだった。